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2017.2.1

ライダー座談会(後編) 女性のバイク需要を拡大する!

ユニークなアイデアを提案する岡崎さん

●各方面で活躍する4人の女性ライダーが出席し、座談会を行った。

●後編は、女性ライダーを増やすためのアイデアを自由に発言。

●「バイクはカッコいい」だけではダメ!

※この記事は発表当時(2017年1月)の内容を掲載したものです。

=出席者(50音順)=

●岡崎 静夏(おかざき しずか):バイクレーサー
2016年のロードレース世界選手権日本グランプリ(Moto3)クラスに出場。日本人女性としては21年ぶりの快挙。

●川崎 由美子(かわさき ゆみこ)二輪ジャーナリスト、ピアニスト
1982年からテレビ・ラジオのレポーターとして活躍。1991年にメキシコのラリー「BAJA 1000」を完走。2006年からドイツ・デュッセルドルフに在住し、2013年帰国。

●下川原 利紗(しもかわら りさ)タレント
2015年ミスユニバース埼玉県代表。テレビ、二輪専門誌でタレント活動を展開中。

●保田 奈那(やすだ なな)二輪専門誌編集者
2005年クレタ入社。『レディスバイク』『タンデムスタイル』『アンダー400』『風まかせ』『スクーターデイズ』などを担当。トライアルはじめモータースポーツ全般が趣味。

司会:『Motorcycle Information』編集部

バイクに乗れば男性にモテる

【司会】本日の座談会は、女性ライダーを増やすにはどうしたらいいかというテーマです。ここからはあらためて、日本で女性ライダーが少ないのはなぜか、そこからうかがいたいと思います。岡崎さんいかがですか。

ユニークなアイデアを提案する岡崎さん

ユニークなアイデアを提案する岡崎さん

【岡崎】やっぱりイメージでしょうね。バイクはカッコいいイメージのものなので、「バイクに乗っているからカワイイね」って、なりづらい。女性からみるとそこが大事なので。ミニスカートやヒールも履けないし、デート服にならない。どこからどうみてもかわいいライディングウエアで絶対安全、そういう画期的なものが登場したとしても、かわいらしさを求める大多数の女の子が、わざわざそこを目指すとは思えないし……。
【司会】女性のマジョリティに対して、「バイクはカッコいい」というアピールだけでは限界があるというわけですね。
【岡崎】そうです。女性ライダーを増やそうと真剣に考えるなら、「バイクに乗れば男の子にモテるよ」っていうことを広く知ってもらう。「バイクに乗れば、男の人と会話ができるよ」っていう、男の友だちが増える手段としてのバイク。加えて、ツーリングで行くためのデートスポットをひたすら紹介してくれる専門誌も欲しいところです。「こんな誘い方あるよ」って、男女どちらにも通用する提案型のもの。
【司会】なるほど……。そのあたり保田さんいかがですか。
【保田】確かに10年くらい前に『レディスバイク』の読者からよく言われたのが「着たいウエアが少ない」っていうことです。でも、いまはシンプルでおしゃれなウエアが増えているし、そこは解決する方向に行っていると思います。
【司会】そうですか。女性ライダーのファッションも進化しているということで安心しました。ただ、岡崎さんのいう「バイクに乗ればモテる」ということを男性にでなく女性にアピールしていくという発想は面白いし、「ツーリングデート・ガイド」という形での情報拡散もこれまでにないアイデアで、実際にあったら人気が出そうですね。

バイクの運転や教習に対する誤解がある

【司会】ほかにも、女性ライダーが少ない原因を探っていきたいと思いますが、下川原さんは何か心当たりはありますか?

女性の苦手意識を払しょくできないか?下川原さん

女性の苦手意識を払しょくできないか?下川原さん

【下川原】はい。女性がバイクに近づき難いイメージがあるとしたら、大型トラックやバスと同じように、運転の難しさを想像しているのかなと思います。というのも、私がバイクに乗るのをみて、友だちが「これ運転できるのって、すごいね」とか、「面白そう。乗ってみたいけど私には無理」って、興味は湧くようなのですが、なかなか近づいてこないんです。
【保田】そうだよね。免許取得前の読者からは、「こんな私にも運転できるでしょうか」みたいな不安の声が多いし、そこがハードルとしていちばん高いところだと思います。
【司会】バイクの運転の難しさに、男女の差ってあるものなんですか?
【岡崎】体格だとか筋力だとか確かに差はあるんですが、跨ったときに足が爪先立ちになる人だって、問題なく乗れるようになります。
【川崎】バイクを倒したら持ち上げて起こせないと免許は取れないって思っている人が多いし、「絶対私にはできない」って決めてかかっていますよね。教習に対しての誤解もあるのかもしれません。
【保田】教習所のイメージが女性には怖いんです。親切には教えてくれないだろうという心配があって、入校しようとして行ってみたけど「やっぱり今日はやめておこう」みたいな人がけっこう多い。教習所からしたら“女性歓迎”なのに、それがいまひとつ伝わっていないんだと思います。
【下川原】ちょっとの勇気で一歩踏み出して、実際に乗ってみれば、そんなに難しいことじゃないと思うんです。そういう女性たちの思い込みや誤解が解けるようになってほしいですね。
【司会】バイクに対する女性の苦手意識を一気に打ち破るか、あるいは地道にサポートを続けるのがいいのか、何か取り組みが必要かもしれませんね。

バイクの魅力を多くの女性と共有したい

【司会】さて、モータースポーツへの関心も、バイク需要を押し上げる大事な要素だと思います。岡崎さんは中学までは器械体操の選手としてオリンピックを目指していたそうですが、それなのになぜバイクレーサーへと転身したのか、教えてください。

日本グランプリを疾走する岡崎さん

日本グランプリを疾走する岡崎さん

【岡崎】私にとってはバイクのほうが面白いと感じたからです。器械体操は自分の身体を使ってやることなので不思議なことはありません。バイクも全身を使いますが、右手をひねればブンッって強烈に加速して、コーナーではあり得ないような角度まで傾けて走ります。自分の身体能力の想像を超えたところにあるスポーツは、ナゾが深くて面白いと思ったんです。
もちろん選手権となると、多くの女性が簡単に取り組める世界ではないですが、MFJ(一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会)が運営しているレディースロードレースなどは、女子会のようにワイワイ楽しめる雰囲気もあります。女性のモータースポーツへの関心も、もっと高まってほしいですね。
【司会】ありがとうございます。続いて下川原さん、これから女性たちにバイクのどんな魅力を伝えたいですか?
【下川原】そうですね、バイクに乗っていると、いろいろな感動が大きいということを伝えたいですね。たとえばバイクを通じて多くの人との出会いがあるし、ツーリング先でのごはんは美味しいというようなことまで感動的なんです。ある日の夜、バイクで移動中にお祭りの渋滞にハマって「しんどいなあ」って思っていたら、後ろで花火が上がって、前のクルマのガラスに反射してすごくきれいに眺めることができました。あれは私がバイクだったからこそ楽しめたんだと思います。そういう感動に出会うたび、心が豊かになれる。多くの女性とそういう感覚を共有したいですね。

女性のバイク需要を拡大するために

【司会】さて保田さん、ここまでいろいろな意見が出ましたが、女性ライダーが安心してバイクライフを楽しむには、どんな課題を克服していく必要がありますか?

L+Bike http://www.l-bile.com/

L+Bike http://www.l-bile.com/

【保田】私はやはり駐車場問題を挙げたいと思います。もちろんこれは女性に限った課題ではないのですが、買い物だとか日常の用足しをバイクでこなしている女性にとっては、切実な問題なんです。私も昨年9月にフランスを取材しているんですが、どの町でもバイク駐車場が完備されていて、バイクで移動している人たちが大勢います。女性たちも駐車場にバイクをサッと止めて、スーパーで買い物をして、またバイクでピューッと帰る。そういうのを目にして、日本でもいろいろ工夫してバイクの駐車スペースを増やしてほしい。この問題は、『レディスバイク』でも積極的に取り上げたいと思っています。
【司会】最後に川崎さん。今年の1年、女性ライダーのためにどんな取り組みができそうですか?

女性のために活動したい川崎由美子さん

女性のために活動したい川崎由美子さん

【川崎】私はライダーの安全啓発やイメージアップのために、世の中と接点のあるイベントを行っていきたいと考えています。昨年は私が主宰している「MAMA’S倶楽部」のミーティングイベントをオープンな場所で実施したところ、一般のお母さんやお子さんも見に来てくれて、「私もバイクの免許を取ろうかしら」って、興味をもってもらえました。そういうきっかけづくりになるような活動を今年もしたいですね。
あと、たとえば私はピアニストとしても活動しているんですが、意外なことに音楽家や演奏家にはライダーが多いんです。一般の方が無料で観られるような場所で、ライダーによるコンサートを開けば、多くの女性にも強い関心を持ってもらえるかなと思います。
【司会】みなさん本日は貴重なご意見をありがとうございました。

(了)

JAMA「Motorcycle Information」2017年1月号特集より
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF: 女性ライダー座談会(後編)