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2017.6.13

輝け! 女子高生・中学生ライダー バイクレースに挑む期待の原石

サーキットで存在感がキラリ!女子中高生ライダー

●バイクレース界で10代の女子ライダーが頑張っている。

●「JP250」クラスでは女子高生ライダーが奮闘!

●レースに挑む女子高生3人、中学生1人に話を聞いた。

サーキットで存在感がキラリ!女子中高生ライダー

サーキットで存在感がキラリ!女子中高生ライダー

女子高生ライダーが続々参戦「JP250」

2017年4月、茨城県・筑波サーキット。ロードレース「MFJカップJP250」の第1戦決勝には30台のバイクが並んだ。出場ライダーの年齢は15歳から52歳と幅広く、このなかに3人の女子高生が出場している。レースが始まってしまえば年齢も性別も関係ない。「速い者が勝つ」、遠慮のない世界だ。

MFJカップ JP250 第1戦の模様

MFJカップ JP250 第1戦の模様

この日は、ウェットコンディションで、レース開始直後に1コーナーで2台が転倒する波乱の展開。レース中もリタイアが続出し、女子高生ライダー3人が健在か、順位がどこか気になったが、無事に最後まで攻めきった。橋本翼(はしもとつばさ・17歳)が13位、石井千優(いしいちひろ・17歳)が15位、中原美海(なかはら・みう15歳)が22位という結果。どの選手にとっても、次につながるレースだったに違いない。この3人のレースにかける意気込みを聞いた。

いつか海外のレースで戦ってみたい――中原美海(高校1年・15歳)

高校1年生の中原は、小学5年生でポケバイを始め、中学1年でMFJレディースロードレースに出場し、第2戦で初優勝、年間ランキングは3位に入った。恥ずかしがり屋で、激しいバイクレースとあまりにギャップがある。華奢な体格がなおさらそう見せる。
「でも私、体力には自信があるんです。去年6時間の耐久レースに出て、暑い中5時間くらい走りました。辛いとかはなくて、楽しかったです。」とサラッとすごいことをいう。
中学2年で250ccにステップアップし、中学3年だった昨シーズンは、3月から8月まで毎週のようにレースで実戦経験を積んだ。「今年はMFJカップJP250を中心に出場するので、まずは全戦予選を通過したいですね。順位についてはそれから考えます。将来的には1度でいいから海外のレースを走りたいと思ってます」と照れくさそう。見かけによらず芯は強い、注目のルーキーだ。

中原 美海

中原 美海

JP250 第1戦は最年少出場となった中原

JP250 第1戦は最年少出場となった中原

すべての生活はバイクレースのため――橋本翼(高校3年・17歳)

「何をするにも頭に浮かぶのはバイクのこと。すべてバイクレースを中心に考えています」と話す橋本。親の影響でなく、自分からせがんで幼いうちにポケバイを始めた。中学2年からロードレースを開始すると、初年度でいきなりMFJレディースロードレースのチャンピオンに。高校2年からはMFJカップJP250に出場している。「JP250はマシンを走らせる技術も大事だけれど、気合だけでどうにかなるものじゃないですね。マシンづくりも含めて学べることはどんどん吸収していきたい」という。
昨シーズンはセカンドグループ内で競り負けることが多かった橋本だが、今シーズンは積極的に前に出るレースを心がける。「しっかり集中して、まずはトップ5を目指します」と、具体的な目標を掲げている。いまいちばん成長が楽しみな女子ライダーだ。

橋本 翼

橋本 翼

第1戦の結果には満足していない

第1戦の結果には満足していない

国際ライセンス取得に意欲――石井千優(高校3年・17歳)

高校3年の石井は、「もちろんレースは勝つためにやっているわけですが、私にとってレース活動は“人間的な積み重ね”であって、自分が成長していくための大事なもの。バイク以外のことにもつながると信じています」という。
石井がバイクレースに取り組むようになったのは、実家が営むスポーツ施設にミニサーキットがあり、幼いころからポケバイに親しんできたからだ。中学3年からは本格的に250ccクラスにステップアップし、高校2年の昨シーズンは、筑波ロードレースのJP250クラスで好成績を残している。今シーズンは、同じく筑波やもてぎの地方選手権に出場しながら、MFJカップにも臨んでいきたい考えだ。
「今年はポイントを重ねて、国際ライセンスを取得するのが目標。国際ライセンスを取って、ポケバイのアドバイザーとして両親の仕事を手伝いたい」と、石井。両親をはじめ、チームでお世話になっている人たちへの“恩返し”に、高校を卒業したらモータースポーツの楽しさを伝える仕事に就きたいと話す。大いに活躍を期待したいライダーだ。

石井 千優

石井 千優

ピンク色のカラーリングが美しい石井のマシン

ピンク色のカラーリングが美しい石井のマシン

若手を育てるMFJロードレースアカデミー

男女限らず、近年、若手のライダーが台頭してきた背景には、一般社団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)が行っている「ロードレースアカデミー」といった取り組みがある。これは2006年にスタートしたレーシングライダーの養成講座で、12歳から18歳の若者を対象に、ロードレースの基礎から実戦までのテクニックやマナーを学ぶプログラムだ。

若手を育成する「MFJロードレースアカデミー」

若手を育成する「MFJロードレースアカデミー」

1年間を通じたカリキュラムには、例年10人程度の入校生があり、同時に開催される「1dayスクール」には、年齢を問わずレース上達を目指す意欲的なライダーが参加。いずれのコースも、有名なレーシングライダーに直接手ほどきを受けて、効果的に腕を磨いている。

レディースロードレース2連覇を狙う――藤原毬花(中学2年・13歳)

中学2年の女子、藤原毬花は、父に勧められて小学生のうちはポケバイに親しんできた。中学生からは「MFJロードレースアカデミー」入校。今年はアカデミーで学びながら、もてぎロードレース選手権(地方選手権)のST150クラス(全4戦・レディースクラス併催)に出場中だ。
アカデミーの講習について藤原は、「ブレーキングなどの基本的な技術を一から教えてもらえます。“安全に速く走る”にはどうするか、そこがいちばん勉強になっています」と話す。
昨年は、MFJレディースロードレースに初めて出場し、12歳という最年少記録で年間チャンピオンになった。これについて藤原は、「じつは一度も1位を取っていないのでとても悔しい! でも、着実にポイントを重ねることがとても大事なんだと実感できました」と振り返る。今シーズンは、優勝込みでのレディースクラス2連覇を狙うという。

藤原 毬花

藤原 毬花

ST150クラスは150ccの軽量なマシンで競う

ST150クラスは150ccの軽量なマシンで競う

女子ライダーも世界に羽ばたくチャンス十分

MFJロードレースアカデミーの校長を務める元・世界ロードレース選手権(WGP)チャンピオンの坂田和人さんに話を聞いた。
「アカデミーに参加してくる若者たちは、ゆくゆくは世界を目指そうというような真剣な気持ちのライダーばかりです。私たち講師陣もそのつもりで教えているし、女性だから男性だからという境目は設けていません。女の子も何人か参加していますが、才能もあるし、全日本はもちろん世界選手権に出て行くことも可能だと思います」と話す。
女子ライダーの台頭について、MFJ事務局長の隠岐直廣さんは、「JP250は、マシン調達など資金面でのハードルが低いため、若いライダーでも参入しやすいクラスです。新しくできたばかりのカテゴリーですが、このクラスを目指して女性にもロードレースへの関心が広まっているとしたらとても喜ばしいことです」と話している。
若い女子ライダーの活躍は話題性としても大きいことから、MFJは昨年から女性ライダーを応援するための専門Webサイト「MOTO LADIES」を開設し、積極的な情報発信にも努めている。

■MOTO LADIES : http://www.motoladies.jp/

★JAMA「Motorcycle Information」2017年5月号特集より
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF: 女子ライダー