お知らせ

イベント情報 , 団体の動き , 新着情報 , 施策関連情報 ,
2019.3.13

急成長するバイクの車庫ビジネス コンテナ型など土地活用で拡大

001

●二輪車の保管場所としての“車庫事情”に改善の兆しがある。

●レンタルスペースビジネスの成長に伴ってコンテナ型のバイク車庫が急増。

●バイクの月極駐車場も、ここ数年でどんどん物件数が増えている。

 

バイク駐車場(保管場所=車庫)のないマンションやアパートが多いため、バイクを手放したり、購入をあきらめる人もいて*注1、市場へのマイナス影響も危惧されている。
ところがここ数年、二輪車向けの月極駐車場やレンタル車庫が急速に増えており、やっとバイクの車庫事情に改善の兆しが見えてきた。これからバイクを所有したい人にとっては朗報だ。

※注1:一般社団法人日本自動車工業会が2017年に実施した調査によると、バイクを手放したユーザーの1割以上が「駐車場を確保できなかったため」と回答しており、二輪車業界としても見逃せない問題となっている。

不動産・住宅情報サイトの急成長

不動産・住宅情報サイトの急成長
近年、大きく変わったのは、バイクの駐車場があるマンションやアパートを簡単に探し出せるようになったこと。この10年の間に、住宅情報サイトが目覚ましく発達し、膨大な物件を扱うサイトがネット上に林立している。
不動産・住宅情報サイトの大手である「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」の場合、マンション、アパート、売家など、全国約650万件*注2もの情報が掲載されている。ユーザーはサイトの画面で、地域、賃料、間取り、築年数のほか、“こだわり条件”という項目があり、細かく条件を設定することで、より自分の希望に合った物件を選び出すことができる。
その“こだわり条件”の一つに「バイク置き場あり」という項目がある。この条件を追加して検索すれば、バイクの保管が可能なマンションやアパートだけを抽出することができる。バイクユーザーの住まい探しには、なくてはならない機能と言える。
「LIFULL HOME’S」に掲載されている全国の賃貸マンション・アパートの件数(建物棟数)は約91万件*注2あるが、そのうち約22万件が“バイク置き場あり”の物件として検出された(2018年12月21日現在)。全体のおよそ2割となる。
試しに、東京23区の賃貸マンション・アパート約9万7,000件*注2(建物棟数)のうち「バイク置き場あり」で絞り込むと、約1万8,000件*注2(設置率18.5%)がヒットした。この18.5%が多いかどうかはおくとして、マップで表示してみると、自分に適した物件が選び出せそうなボリューム感はある。少なくとも数年前に、これほどバイク置き場のある物件が多いという印象があっただろうか。

●「LIFULL HOME’S」のWebサイト/渋谷区周辺で「バイク置き場あり」の検索結果マップ
002※注2:サイトには、1つの物件を複数の不動産会社等が重複して掲載している場合があり、それぞれを1件としてカウントした件数が約650万件。このうち、賃貸マンション・アパートの建物棟数は全国で90万9,793件となる(2018年12月21日現在)。東京23区の9万7,000件、1万8,000件は建物棟数(同現在)。

バイク向け“レンタル車庫”が急増中!

バイクの車庫事情が改善されてきたという話は、ここからが本題だ。株式会社LIFULL SPACEは、季節ものの家財道具など荷物を預ける“レンタル収納スペース”の検索サイト「LIFULLトランクルーム」を運営している。2014年には、トランクルームのバイク版である「バイクコンテナ」という検索サイトも立ち上げた。
同社の広報担当者は、「トランクルームの市場全体では、物件数が毎年5~10%ずつ伸びており、まさに成長ビジネスです。現在、全国で約1万件のトランクルーム施設があると推計されており、この数はファミレスやカラオケルームと同じ規模。このビジネスはまだまだ伸びると感じています」と説明する。
そして、注目したのがバイクの車庫需要。「トランクルームのサイト運営を始めたところ、『バイクも預けられますか』というユーザーのコメントが多く、トランクルームのバイク版としてサイトを独立できるだろうと判断しました」(同社担当者)
スタート当初、「バイクコンテナ」への掲載事業者は50社程度だったが、現在は倍の約100社に増え、物件の数は1都1道2府25県で合計約2,500件となっている。

●東京23区内にもバイクコンテナが増えている。(写真は「バイクコンテナ」の検索結果マップ)
003
「バイクコンテナの数も毎年5~10%は増えていると思います。当サイトの検索ボリュームは2017年の25万回から、2018年には65万回に増加していますので、ユーザーからの注目度も上昇していると思います。バイクの保管場所を求める需要がそれだけ大きいわけで、コンテナを活用したバイクの車庫ビジネスは、今後も拡大が続くと考えています」と話している。

バイクコンテナ事業を本格的に推進――ハローストレージ

実際にバイクコンテナ事業を展開している会社にも話を聞いた。
「ハローストレージ」のブランド名で、トランクルーム事業を展開しているエリアリンク株式会社は、昨年10月、「バイク置き場不足の解消に寄与したい」とメッセージを発信し、バイク向けの車庫ビジネスへ本格的に取り組んでいる。

「ハローストレージ」もバイク車庫を後押し

「ハローストレージ」もバイク車庫を後押し

主力となるのはバイクコンテナの普及だが、ほかにも同社が運営するトランクルーム施設に併設したバイク置き場、自動車のコインパーキングの余地を活用したバイク置き場、マンション等の敷地を活用したバイク置き場、この4つのアプローチで取り組んでいくという。
東京都足立区に開設されたばかりの「ハローバイクボックス・足立竹ノ塚」を訪ねると、同社が運営するトランクルームの建物の裏手に、17台のバイクコンテナが置かれていた。それぞれに折り畳み式のスロープが付いており、車両の出し入れに手間はかからない。雨や風も気にせず、セキュリティ性も高いので、これなら大事な愛車を安心して保管しておくことができる。
同社の担当者は、「バイクコンテナは、この2年間で都内を中心に50カ所200台分を設置しました。一気に増やしている状況です。背景には、屋外トランクルームの敷地内に余ったスペースがあると、クルマが違法駐車したり、ゴミを不法投棄される問題があります。防止策として、そのスペースをバイクの駐車場にしてみようと考え、白線で枠を仕切って貸し出したところ、どこの施設もあっという間に埋まったんです」と話す。
白線だけの駐車枠は安価に提供できるメリットがあるが、バイクコンテナのほうは少々料金が高くとも、スポーツバイクや大型バイクなど、愛車を大事にするライダーから人気がある。稼働率は9割に近いという。

17台のバイクコンテナが並んでいた

17台のバイクコンテナが並んでいた

バイクコンテナの最大のメリットは、自動車の駐車場としてはレイアウトしづらい地形でも、コンパクトなバイク車庫なら土地活用が可能なこと。「自分の土地を活用しきれていなかったオーナーの方に、バイクコンテナは喜ばれています。お客様も紳士的な方が多く、騒音などの苦情もほとんどありません」とのことだ。

二輪車の月極駐車場に特化――バイクパーク

最後に紹介するのは、株式会社バイクパーク。その名の通り、バイク専門の月極駐車場を運営する会社だ。同社は、二輪車の駐車場不足が深刻になったことをきっかけに、2010年に創業。土地所有者から駐車場用地を借り受け、同社が二輪車の月極駐車場として整備して供用、管理する方式だ。
バイク駐車場がほとんど見当たらない時期にスタートしただけに、業績は年々大きく伸長。取り扱い物件の数は、グラフに示した通り、2010年から2018年まで急拡大を続けている。
●バイクパークの駐車場箇所数・収容台数の推移
006
同社の担当者は、「都内の道路という道路をバイクでくまなく走って、駐車場になりそうなスペースを探します。ほかの用途では活用できそうにない土地でも、バイク1台からの駐車場になります。たとえば自動車のコインパーキングの敷地には、使いきれていないスペースがありがちです。そこに白線で枠を設ければ、バイクの月極駐車場として貸し出せます。とにかくいろいろなアプローチでデッドスペースをみつけ、バイクの月極駐車場をつくっているのです。今後、取り扱い物件数10万件を目指して開拓していきます」と話す。
●バイクパークの会社パンフレットより(さまざまな手法でバイク車庫を増やしている)
007なお、同社の事業が急速に伸びている要因として、取り扱い物件を月極駐車場に限っている点が大きい。つまり、時間貸し駐車場だと、チェーンロックや料金精算機などの設備が必要で、採算性を確保するのが難しく、月極駐車場ならばそうした問題にとらわれずに低コストでスピーディな開設が可能だからだ。
同社の担当者は、「民間で開拓できるところと、行政が取り組むべきところと、だんだん明確になってきたと思います。時間貸しのバイク駐車場を増やすためには、行政の取り組みや協力が不可欠だと思います」と、今後の課題についても指摘していた。
ここまで見てきたように、不動産・住宅情報会社、トランクルーム事業者、二輪車駐車場運営会社、こうした企業がそれぞれ事業を進め、あるいは連携して取り組み、バイクの保管場所確保を支えているのである。

JAMA「Motorcycle Information」2019年1-2月号特集より
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF:急成長するバイクの車庫ビジネス