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2019.10.4

「BIKE LOVE FORUM in やまなし」開催 安全・デザイン・女性への期待

2019年BLFinやまなし

●9月20日、「BIKE LOVE FORUM in やまなし」が開かれた。

●二輪車の事故防止と安全教育、バイクデザイン、女性の活躍がテーマ。

●バイクを愛する人たちが一堂に会し、真剣な議論を行った。

9月20日、山梨県甲府市にあるベルクラシック甲府で、「第7回 BIKE LOVE FORUM(BLF) in やまなし」が開催された。
開会冒頭では、経済産業省自動車課・河野太志課長が挨拶に立ち、「世界の経済が不透明、不確実ななか、自動車産業はCASEやMaaSといった大きな変化に直面している。二輪車産業も、戦略的に競争力を高め国内外の市場を牽引してほしい」と挨拶。

河野課長

河野課長

続いて山梨県・長崎幸太郎知事が登壇し、「山梨は“ワイン県宣言”をしたばかり。ミネラルウオーターの生産量も豊富で、日本酒も美味しい。県内をバイクで巡ってぜひ1泊して、温泉、お酒、食事を楽しんでください。大歓迎いたします」と、県の魅力をアピールした。

長野知事

長野知事

このあと経済産業省自動車課・内藤貴浩課長補佐が、BLFが取り組む「二輪車産業政策ロードマップ」の進捗状況を説明。近年の活動による成果が報告された。

パネルディスカッション①――「やまなしを楽しくセーフティライディング」

〈出席者〉
稲垣具志(いながき ともゆき): 日本大学理工学部交通システム工学科 助教
前野克典(まえの かつのり) : 山梨県 リニア交通局交通政策課 課長補佐
中村洋一(なかむら よういち): 山梨県 観光部観光プロモーション課 課長補佐
鶴田治彦(つるだ はるひこ) : 山梨県 二輪車安全運転推進委員会 特別指導員
作田裕樹(さくた ひろき)   :  日本二輪車普及安全協会 安全本部安全普及部 部長
KAZU中西(カズ なかにし) : 伊豆スカ事故ゼロ小隊 隊長

パネルディスカッション第1部は「やまなしを楽しくセーフティライディング」がテーマ。
前半では、前野克典課長補佐が山梨県における交通安全対策の事例を紹介。国道413号・通称「道志みち」ではツーリングライダーに重点的な安全啓発を実施していると話した。また、同県は高校生の原付保有率が全国トップクラスであり、安全運転教育の充実が重要とも指摘した。

左から中村さん、前野さん、稲垣さん

左から中村さん、前野さん、稲垣さん

続いて中村洋一課長補佐は、この日スタートしたBLFの関連イベント「セーフティライディング やまなし ツーリングキャンペーン」(11月30日まで)を紹介。スタンプラリーに参加して、県内を楽しく安全にツーリングしてもらい、気に入った観光スポットなどを広く宣伝してほしいと呼びかけた。
後半は稲垣助教が座長を務め、ツーリング時の安全と、原付など生活交通における安全とを切り分けてディスカッションを進行した。

左から鶴田さん、中西さん、作田さん

左から鶴田さん、中西さん、作田さん

10年前から伊豆スカイラインなどで安全啓発に取り組むKAZU中西さんは、「ツーリング中の40~50代のライダーの事故が多い。自分が気をつければ安全なのではなく、周囲への気配りによる自制心こそが大事」と話す。安全運転指導員を27年間続けている鶴田さんは、「安全講習会で技能を高め、それを“気持ちのゆとり”に回してほしい」と話した。一方、作田さんは原付に焦点をあて、高校生のバイク禁止を撤廃した埼玉県の事例を紹介。「“隠れ乗り”をする生徒がいなくなり、オープンな形で安全講習が実施できるようになった」と話した。稲垣さんは、「道志みち」でオリンピック・パラリンピックの自転車競技が行われることを踏まえ「道志みちの事故をなくして、山梨から世界へライダーの高いモラルを示したい」と議論をまとめた。

トーク対談――「新時代令和 これからのバイクデザイン」

〈出席者〉
松下尚司(まつした ひさし):(株)モーターマガジン社 『オートバイ&RIDE』編集長
美環   (みかん)      :フィギュアの原型師
福本圭志(ふくもと けいし):川崎重工業(株)モーターサイクル&エンジンカンパニー技術本部デザイン部 部長
澤田琢磨(さわだ たくま) :本田技研工業(株)二輪事業本部ものづくりセンター 技術主事 デザイナー

松下さんの司会で、終始笑いがあふれるトークショーになった。澤田さんは、「バイクデザインとは、平面のスタイリングを描くことだけでなく、何を作るのか、コンセプトを実現するのが仕事」と、デザイナーの役割について話した。

05_新時代令和これからのバイクデザイン
福本さんは、「欧州メーカーは昔からブランド力があり、質の高いデザインにこだわっている。日本メーカーも、今後はもっと自社ブランドを強く意識したデザインが大事になる」と話した。

左から福本さん、澤田さん

左から福本さん、澤田さん

美環さん、松下さん

美環さん、松下さん

美環さんは、「マンガやアニメの影響でバイクに乗り始めました。サブカルから見てカッコいいバイクを作ってほしい」とリクエスト。松下さんは、「新しいデザインは新しいストーリー(価値観)からしか生まれない、そのことがよくわかるディスカッションでした」と、話していた。

パネルディスカッション②――「女性ライダーを増やすために」

〈出席者〉
川崎由美子(かわさき ゆみこ):二輪ジャーナリスト
松崎祐子(まつざき ゆうこ) :WEB Lady Go Moto 元主宰
渋谷有佳(しぶや ゆか)   :ビギナーライダー
山根智子(やまね ともこ)  :ビギナーライダー
小田切いくみ(おたぎり いくみ):アナウンサー(フォーラム全体の進行役)

パネルディスカッション第2部は、川崎さんの司会で、「いかに女性ライダーを増やすか、業界に求めること」をテーマに、忌憚のない意見が交わされた。
はじめに川崎さんが、1970年代から現在までの日本の女性ライダーの歩みを紹介。アパレルの変遷、遊び方の変化、クラブ活動などを紹介した。

左から小田切さん、山根さん、川崎さん

左から小田切さん、山根さん、川崎さん

続いて、女性ライダーを増やすためのアイデアを意見交換。バイク経験の豊富な松崎祐子さんは、「女性が働きやすい環境を作ることで、二輪車業界で働く女性の姿が増えれば、女性ライダーはどんどん増えると思う」と、会場に呼びかけた。

左から松崎さん、渋谷さん

左から松崎さん、渋谷さん

ビギナーライダーの山根さんは、「私は身体が小さいので“足着き”が不安です。先日さっそく立ちゴケしました」と話す。渋谷さんも、「“足着き性”は大事ですよね。新車購入のときにシート高をオーダーできると嬉しい」と付け加えた。バイクに乗っていない小田切さんは、「いろいろお話を聞いて、安全に乗れるという納得があれば、もっと女性もバイクに乗るようになるのでは」と、感想を話した。

エンディング――次回開催自治体は「大阪府」

プログラムが終了し、一般社団法人日本自動車工業会二輪車特別委員会・日髙祥博委員長が総評を行い、議論を振り返り、「大人のライダーがカッコいい見本になって、若者にバイクの安全とマナーをもっと広めたい。高校生への安全教育は、行政への働きかけを進めたい。これからのバイクデザインは、ブランドの主義・主張がカギになる。女性にとってはバイクの足つき性など、解決すべき課題だと受け止めた」とまとめ、その実現に向けてBLFをいっそう活用していくと述べた。
そして次回は、大阪府での開催が決まり、大阪府商工労働部産業創造課の岡野春樹課長が「2025年には大阪万博もあり、次回のBLFでは、バイクの技術的イノベーション、マーケティングについてもぜひ議論してほしい」と、挨拶した。
最後は、全国オートバイ協働組合連合会の大村直幸会長が「二輪車市場を盛り上げるため、まだまだ議論が必要。大阪ではいっそうの成果を目指したい」と閉会の辞を結んだ。

日高委員長

日高委員長

岡野課長

岡野課長

大村会長

大村会長

JAMA「Motorcycle Information」2019年10-11月号/ズームアップより
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF:「BLFinやまなし」開催