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2016.7.7

原付「ご当地ナンバープレート」地域広報として全国的に浸透

●原付のナンバープレートに独特な形や絵柄を取り入れる「ご当地ナンバープレート」が全国的に広がっています。

●土地の名所や町を象徴するイラストなどを入れられるので、きれい、かわいいと大評判。

●市町村の地域広報にも大いに寄与しているようです。

 

バイクの形をしたナンバープレートを交付——静岡県浜松市

静岡県浜松市では、バイクの形にデザインした原付ナンバープレートを作成し、2013年1月4日から交付しています。プレートの下側が二つの車輪として円形になっていて、描かれたバイクは薄緑色と空色のツートンカラーというエレガントなデザイン。

浜松市原付ナンバープレート
独特のナンバープレートを導入した理由について、浜松市の担当者は、「本市はいま、地域の魅力を国内外に発信するためのシティプロモーションに力を入れており、その一つとして『バイクのふるさと浜松』のPRに取り組んでいます。浜松が国産バイク発祥の地であり、オートバイをはじめとするモノづくりが盛んなまちであることを広く知っていただくために、『バイクをイメージさせるナンバープレート』にしました」と説明しています。
浜松市は2012年5~6月にナンバープレートのデザインを公募。380点の応募作品の中から選ばれた作品は、「浜松をイメージさせるさわやかな色合い」「環境にもやさしいバイクを連想させる未来志向のデザイン」というきわめて高い評価で選ばれました。

全市町村で実施してほしい原付のご当地プレート

一般財団法人日本経済研究所「地域未来研究センター」の調べでは、原付のご当地ナンバープレートは、2013年2月1日現在、計画中も含めて全国の194自治体で採用されているとのこと。全国の市区町村数は1,750ほどですから、1割強が採用していることになります。
同センターでは、祭り、食、音楽、スポーツなどさまざまなテーマでの地域の文化を発掘して情報発信。原付のご当地ナンバープレートについても、「地域のPRに役立つ」ことから、2011年4月から全国的な動きや具体的な導入の手引きなどをホームページで紹介しています。「市町村の判断で取り組める効果的なPR方法の一つなので、ぜひ全国に浸透してほしいですね」と、いっそうの広がりを期待しているようです。

各市町村での取り組みの実例

では、具体的にどのようなご当地ナンバープレートがあるか、いくつか見てみましょう。

■全国初の原付ご当地ナンバープレート——愛媛県松山市

ご当地ナンバー愛媛県松山市いちはやく原付にご当地ナンバープレートを採用したのは愛媛県松山市です。発端は、2006年に司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』にちなんだ町のPRをしようと、雲の形をした原付ナンバープレートを「構造改革特区」提案として内閣府に申請したことでした。市のプロジェクトチームによりプレートのデザインを決め、2007年7月に交付を開始しました。雲型という特殊な形にしたことといい、表示名を「道後・松山市」としたことといい、地域振興の目的で原付のナンバープレートを自由にデザインするという先鞭をつけた事例となりました。

■県境をまたいだ市町村で富士山型プレート——静岡県御殿場市など

静岡県の御殿場市、富士宮市、富士市、裾野市、小山町、芝川町と、山梨県の富士吉田市、富士河口湖町、西桂町、忍野村、山中湖村、鳴沢村、道志村という、県境をまたいだ13の市町村によって統一して交付されているのが富士山型の原付ナンバープレートです。もともとは四輪車の「富士山」ナンバーが2008年11月に交付開始となったことから、その対象市町村が観光振興策として、原付についてもご当地ナンバーを導入したものです。
※芝川町は現在、富士宮市と合併しています。

ご当地ナンバー静岡県御殿場市

■しまなみ海道10周年を記念して交付——広島県尾道市

ご当地ナンバー広島県尾道市

半円形の船の形をしたプレートに青い波が描かれた独特の形のプレートを2009年11月から交付しているのは広島県尾道市です。本四連絡橋の「しまなみ海道開通10周年」を記念して作ったものですが、市の担当者は「瀬戸内海に浮かぶ船をイメージしてデザインしました。従来の原付の課税標識を超える付加価値が生まれ、走る広告塔として、地域振興や観光振興に役立つものと期待しています」と、その作成動機を話していました。

■五重塔とねずみの2種類のプレート——岡山県総社市

ご当地ナンバー岡山県総社市

岡山県総社市では、市を象徴する絵柄で原付ナンバープレートを作ろうと、市内の岡山県立大学デザイン学部にデザインを依頼しました。最終的に3点を選んで市民投票を行ったところ、「備中国分寺の五重塔」と「雪舟のねずみ」のデザインが甲乙つけがたい得票数だったため、2種類のプレートを作って2011年1月から交付を開始しました。その後、2011年、2012年と続けて、ナンバープレートの写ったバイクの写真コンテストを実施し、総社の観光、四季を写した多数の作品が寄せられ、地域振興に役立っているようです。

■区制80周年記念の限定ナンバープレート——東京都葛飾区

ご当地ナンバー東京都葛飾区

東京都葛飾区は、2012年10月に「区制施行80周年」を迎えましたが、その記念事業の一つとして行われたのが原付の「ふるさとナンバープレート」の交付です。絵柄としては、葛飾区出身の漫画家・高橋陽一さんのサッカー漫画『キャプテン翼』、葛飾区柴又のイメージともなっている寅さん、そして葛飾区の花である菖蒲の花の3種類です。各1,000~1,500枚の限定で交付されています。

「Motorcycle Information」2013年3月号・ズームアップより

本内容をPDFでもご確認いただけます。

原付「ご当地ナンバープレート」地域広報として全国的に浸透